10年前の作品なのに今でも新鮮なテーマ『この自由な世界で』

10年前の作品なのに今でも新鮮なテーマ『この自由な世界で』

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ケン・ローチの作品が前から好きで、『わたしは、ダニエル・ブレイク』が雑誌・キネマ旬報の外国部門第一位に選ばれたと知ったため、『この自由な世界で』を見てみました。

ケン・ローチは、昔から一貫して社会派の作品を作ってきたのですが、この作品も例外ではありませんでした。

主人公は、セクハラに対抗したため派遣切りにあったシングルマザーです。国外からの労働者を受け入れる仕事の経験があったため、コールセンターで働く友達と、女性2人の派遣会社を立ち上げます。

しかし、派遣先から労働者の給料を払ってもらえなくなり、とうとう違法である不法労働者派遣にも手を出すことに。お金を稼ぐことに成功しますが、危ない目にもあうようになります。

おそらく、ブレグジットを支持したのは、主人公や主人公の周囲の人のような人々なんだなと思いました。すぐに仕事をクビになるけれど、何とか働いていかなければならない人々。この作品にもポーランド移民が多く登場しますが、ブレグジットを一番支持した町は、ポーランド移民が10%を超える町だそうです。主人公も不法入国したイラン人家族に最初は同情していました。しかし、最後はちょっと裏切る形になってしまいます。心やお金に余裕がないと、移民のことを大変だなと思いながらも、やはり自分が一番大事、という心情になってしまうのかもしれません。でも、善悪を判断しないところが、ケン・ローチ作品の良いところだと思います。

実際に、日雇い派遣やコールセンターでも働いたことがあるので、お金を意地でも払ってもらわなければ、と考える労働者側の気持ちも理解できました。わたしはインターネット経由で応募していたので、直接モメることはありませんでしたが、主人公のようにその場で仕事を割り振るのは大変そうです。

この作品では、ポーランドの青年と主人公のちょっとした恋愛が、一服の清涼剤になっています。深刻な内容なのに、シリアスになり過ぎないのは、この映画のいい部分だと思いました。

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